引っ込み思案な恋心。-2nd





「希望者ゼロか…。多田んトコ、1年の時どうしてた?」



「私?私は1年4組だったんだけど、ななっぺ……、あ、細井さんが合唱部だったからそのままお願いしたよ?」



「俺の1年2組は確か…、合唱部がいなかったから音楽係に任せたような……」



「ああ〜〜。音楽係かぁ。その手があった!」






静かになった教室の壇上で学級委員同士が話し始め、いきなり『音楽係』というキーワードが飛び出してきた。






音楽係……?





ちょっと待って、もしかして………








「音楽係!誰だっけ???実行委員任せていー?」






あゆが教室中を見渡して、音楽係が誰なのか確認してる。






そう。



その音楽係って、もしかしなくても…








「………うそ。柚だったの、音楽係……」






私がおずおずと右手を挙げると、あゆがショックを受けたような驚いた顔をした。






「ちょ……っ、大丈夫かな!?」



「でも杉田が音楽係なんだろ?他に希望者いないんだし、別にいいんじゃないか?」



「あ…、そっ、そうだね」






あゆが一気に不安そうな顔を見せたけど、隣にいた男子の学級委員は仕方なさそうに黒板に私の名前を書き始めた。






それを見たあゆも、学級委員としてそのままHRを進行するしかなかったみたいだった。








まさか……



私が合唱コンクールの実行委員に自動的に決まっちゃうなんて。。。





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