引っ込み思案な恋心。-2nd





「柚がこれだけ頑張ってるんだから、きっと2組のみんなも理解してくれると思うよ。所詮はジャンケンで全て決まってるんだから、誰も文句つけようがないと思うし…」



「うん……」



「じゃあ私、このまま合唱部の活動に行くから。またね」



「うん、バイバイ」






視聴覚室を出て廊下に出ると、辺りはすっかり暗くなっていた。






この寒くて暗い中、帰って行くのか……。






今日は色んな事が決まってしまった、運命の日だった。






明日、みんなの前で発表するのが怖い。






みんなの前に立つっていうだけで緊張するのに、みんなから非難を受けると分かってて発表しないといけないのが余計に辛い。






いくら隣であゆがフォローしてくれると言っても…





一言二言は絶対飛んできそうだし…。






しかも、アナウンスの仕事なんて……。






確かに、ずっとみんなに声を出し続けないといけないし、台本読み間違えたらそれこそ冷たい目で見られてしまうかも。。。






あの時そこまで考えられなかった私もまだまだだな…。






でも決まったものはもう変えられないし、仕方ないと思う。






とにかく…、今の私はやるしかないんだ。








私は冷たい北風を受けながら、暗くなった通学路を足早に歩き始めた。













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