引っ込み思案な恋心。-2nd





ななっぺの姿を見つけた映美佳は、強引に3組の教室にななっぺを連れて入って行った。





そして私は残ったあゆから自分のカバンを受け取った。






「あゆ…、ありがとう。私のカバン」



「いいって!とりあえず机の中身は全部入れてきたよ。それで良かった?」



「うん。ありがとう」



「それより瀬川は……、もう帰った後だったみたいだね。ごめん、私が引き留めちゃったせいかな?」



「ううん。拓、テスト終わってすぐに友達と教室出たらしいから…」



「でもさ、映美佳から話聞いたけど、あんなコトあった後なのに、よく男子集団で帰ろうと思ったよねぇ。柚に謝るのが先でしょ!?」







もしかしたら、あゆは私以上にちゃんと私と拓の事、考えてくれているのかも。





こんなに拓のことでもムキになってくれてるし。






少し感動していると、あゆは更に勢いよく私に近付いてきた。






「瀬川の家、押し掛けてでもアイツに会った方がいいよ。何なら私、ついて行くから」



「いや…、一人で大丈夫だよ」



「でも心配だよ〜。だってさ、話を聞いた限り、柚が全面的に悪いとは思えないもん。でも柚はきっと、自分のせいだって思ってるんでしょ?ビンタの件はさすがに謝るにしても、それ以外は謝らなくていいよ」



「でも…」






あの時…本当は、上手く断る方法があったのかもしれない。





それに、拓の欲求とかそんな気持ちに鈍感だった自分も悪い気がする。








確かに昨日、そんなことをぼんやりと考えていたんだ。





…あゆ、するどすぎるよ。。。





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