ハッピーエンドじゃ終われない【短編】
「せっかくバッドエンド用意してくれて悪いんだけど、今からハッピーエンドに変更しない?」
「ご都合主義の
ハッピーエンドに?」
「そう」
彼の首筋に顔を埋める。
この人とバッドエンドなんて嫌。
神様、出来るなら私に永遠のハッピーエンドを。
「本の中のミーナはそんなこと言わなかった」
「残念ね。現実のミーナなんてこんなもんよ」
おどけたように笑ってみせると、
彼が私を抱く腕に力を込めた。