すれ違い恋愛
なにがしてーんだよ、こいつは。
意味分かんねーよ。俺、テレパシーとか使えねーよ。
ただでさえ、寝起きで頭まわんねーのに。
「吉高ー?」
本当に何も言わないつもりかと思って呼んでみたけど、余計な心配だったようで。
すぐに吉高の声が電波で伝わってきた。
『…あのさぁ、今から新宿来れねぇ?』
「は?」
いやいやいや。
こんな突然言われて行くやつなんていねーって。
「無」
『頼む。何でもするから!』