KISS AND SAY GOOD-BYE
「実は……、高山社長が…『もし滝本さんと二人っきりになりたいんだったら……ホ…ホテルのスィートルームとってあげようか!?』なんて言うから、結構です!って断ってたんだよ。」
『何て事を!
何を考えているのよ。』
「だろう!
俺もビックリしたけど、ちゃんとお断りしといたからね♪」
『何を言ってるのよ。
リュウ、貴方よ!
貴方の事を言ってるのよ。
どうして断ってたのよ!?
折角の好意を!
高山社長が折角ホテルのスィートルームを取ってくれると言ってるのに。
二人っきりで韓国の夜を過ごせたのに……
今からでも社長にお願いしましょうよ!?』
「美華、御嬢様なんだからはしたない事いっちゃダメです!
なんちゃって!ハハハ!」
『仕方無いから、午前中に社内を見て廻りましょ!』
「そうだな!」
アクターズスクール以外にも、各部署を見学させてもらい、気付いた事をメモっていく。
昼になり、お腹が空いた美華がまたまたごねている。
『リュウ、お腹へった!
足疲れた!
喉も乾いた!』
「ハイハイ、分かったから駄々をこねない!
隣のロッテワールドに韓国レストランが在るから、そこで食事してから梨泰院(イテウォン)に行くかい!?
それとも、今は我慢して向こうに行ってから食事をするかい!?」
『……う~ん……!
我慢できない!
隣に行こう!』
「そうしょうか。
鱈のチゲでも食べようか!」
『うわぁ鱈のチゲかぁ~、久しぶりよねぇ。』
新星MUSIC本社を出て左に進むと、3分余りで到着だ!
ロビー横のエレベーターにのり目的の階で降りると、目の前にそのお店は在った。。
店内はランチタイムが始まったばかりで、まだ殆どお客さんは入っていなかった。
ウェイトレスに案内されて、一番奥のパーティションで仕切られた4人掛けのテーブルに座ると、次々とパンチャン(オカズ)が並べられ、鱈のチゲが出てくる前にお腹一杯になってしまわないように、少しずつ摘まんでいった。
「どうだい?」
『中学の時は、父に連れられて家族でヨーロッパに遊びに行ってたから、フランス料理やイタリア料理、ドイツ料理なんかも色々食べたけど、本格的な韓国料理お店のチゲは、世界三大料理にひけを取らないくらい美味しいわ!』
「さすが、金持ちのコメントは重みがあるなぁ~♪」
『うわ~、リュウったらまた嫌味言う!』
「違うよ~♪
本当にそう思うから!
それにしても、ヤッパリ美華んちは凄いなぁ。
バスは乗った事が無かったし、お掛かえ運転手付きのベンツのリムジンはあるし、中学の内からヨーロッパに旅行は行ってるし、何か住む世界の違いを感じちゃった!」
『もう、リュウったら大袈裟なんだから!
私は、いたって普通の女子高生ですから!』
「ハハハ!
普通では無いよなぁ~♪
スンゴイ焼きもちやきの女子高生だよね!?」
『モチロン!
大好きなリュウといつも一緒に居たいだけなんだよ!』
「俺も!
さぁ、お腹もいっぱいになったから梨泰院(イテウォン)に行きますか!?」
『もう、リュウったらサラリーマンみたいな口調ね!
移動はバス?』
「それも良いけど、タクシーにも乗ってみようって思うんだ!
韓国のタクシーは、まだ乗った事が無いだろう!」
そして、リュウは色んな事を教えてくれた。