KISS AND SAY GOOD-BYE
地金を投入した瞬間、ドロドロに溶けた金属が俺の腕目掛けて跳ねてきたのだ。
『アッ!』
と叫んだ時には、既に溶解した金属が俺の右腕に付着していたんだ。
突き刺さる様な痛さと熱さを感じた時には、鋳造小屋には焦げた蛋白質の臭いが広がっていた。
驚いた教師が、慌てて水道水で俺の右腕を冷やしたが、時既に遅しである。
焦げた作業服の中で溶けた金属が流れて、俺の腕は10cm程の火傷をおってしまった。
病院で治療して、その日はそのまま帰宅した。
夕方過ぎて、鋳造担当の教師が自宅に謝罪にきた。
仕事が忙しい両親は、まだ帰宅してないからと、教師には帰って貰った。
翌日、病院に寄って包帯を交換して貰ってから登校した。
『おはよう桧山!
火傷は酷いの?』
「オゥ川田、おはよう。
大した事無いさ。
10cm程、皮がめくれて、ただれたけど、殆どキレイに治るって言ってた。」
『そっかぁ。
でもビックリしたよなぁ。
熱かっただろう!?』
「まぁな!
でも、直ぐに水で冷やしたし、直ぐに病院で治療したから、今はあまり気にならないさ。」
『桧山は強いな!
俺だったら、泣き叫んでたよ。』
「んな、大袈裟な!」
『昨日、お前が帰った後、休み時間にデザイン科の女の子が探しに来てたぜ。
事情説明したら、かなり心配してたよ。
可愛い子だったなぁ。
お前の彼女か!?』
「どんな子だった?」
『茶髪で目がクリクリってしてたよ!』
「滝本さんか。
で、彼女、何か言ってた?」
『…特に何も!』
「そっかぁ。
ありがとう。」
『それはそうと、昨日桧山が帰った後で答案用紙返って来てたぜ。
え~ッと、現国と古典、それに英語も!
桧山のは机ん中に入れたから。
それにしても凄いなぁ。
お前の3つ共100点だったぜ。』
「まぁ、得意な教科だからな。
川田、お前はどうだったんだよ!?」
『そんなもん、3教科共平均点ギリギリだよ!
俺は、理数系が強いんだ。』
なんて話をしてたら、朝のホームルームだ!
1限目から4限目迄機械製図だから、製図室に移動して、展開図や平面図の書き方の勉強して、やっと昼休みになった。
購買部であんパンとコーヒー牛乳で昼飯を済ませ、速攻でデザイン科に向かった。