KISS AND SAY GOOD-BYE
夕方5時過ぎに新星MUSIC日本支社に到着した。
既に新たな企画会議は始まっていた。
企画推進室の隣にある、サブ会議室の扉をそぉっと開けて、静かに一礼して自分の席に着いた。
『桧山君、お疲れ様!
今会議しているのは、新たに作った教室と、メインオフィースとの連携方法を模索しているところなんだ。』
「連携方法とは、
どういった事でしょうか古田室長?」
『ギター教室とか、エレクトーン教室とか、色々と教室を遣ってるだろう!?
そこからの問い合わせやこちらからの問い合わせ、顧客からの問い合わせや苦情、新規の問い合わせなんかもかなり有るのは知っているだろう!』
「はい、存じております。」
『今までは、各店舗で対処していたのだが、そろそろ限界に達してきているそうだ。
それでだな、どのような連携方法を取ればスムーズに行くかを検討しているところなんだよ。』
「それで、今出てる案が、そこのホワイトボードに書かれている内容ですね!?」
『その通りだよ。
他に何か良い案は有るかい!?』
「この事は、前から私も感じていた事で、カラオケハウス新星GTSで働いていたとき、日本支社に用事があり、確認を取りたい事が有ったのですが、折り返し掛かってくるはずの電話が掛かって来なかったり、仕方無くこちらからかけ直したときには、先程担当していた人は帰られて、別の人にまた1から説明しなくてはいけなかった事が多々有りました。
その時から、考えていた事が有ります。」
『それで? 』
「お客様コールセンターを作れば済むことじゃないかと。」
『それじゃあ、スタッフ間でのやり取りには役立たないじゃないのでは?』
「そこで、フリーダイヤルを2本準備して、Aラインでの入電は、お客様からで、Bラインならスタッフ間という風にするのです。
コールセンター内は、各部署との問い合わせがスムーズに出来るように別回線も用意しておき、常にお客様からの問い合わせだけじゃなく、苦情にもちゃんと対応できるようにマニュアルも作成するのです。
お客様からの苦情と言うのは、一見鬱陶しく感じるかも知れませんが、その苦情こそが新星MUSICを成長させてくれる糧にもなるのですから。
そして、深夜を除く早朝から昼まで、昼から終業時まで、終業から大体夜の10時位までの3交替制で電話対応が出来れば上出来では無いでしょうか?
それから、全ての電話の内容は、担当スタッフがきちんと記録に残せば間違いや手違いも防げるでしょう。」
『なかなか良い案だな。
それじゃあ、この桧山君の案を押したいと思いますが、他に最も良い案が有ると言う人居ますか?』
誰も反対ないな……
ホワイトボードに書かれている内容は酷かった。
イントラネット導入してって、各店舗バラバラに離れた場所なのに、どうするつもりだよ。
各店舗の店長が全て把握してって、無理あるだろう!
それでなくても店長職は、遣らなければいけないことが沢山ある上にスタッフの管理までして、顧客の管理や苦情処理も、現場の大事な職務の1つだが、イベントやニューシステム導入とか、何から何まで店長まかせには出来ないだろう!
他にも色々と意見が出たようで、ホワイトボードにはみっちり書かれているが実がないとしか言いようがなかった。
俺の案だと、教室関係以外にも、スタジオや、ライブハウス、クラブやカラオケ店にも適用できるのだ。
あとは、最も細部に渡ってきちんとした流れを作らなければいけないが、取り敢えず俺の意見は満場一致で決定した。