夜をすり抜けて
タイムリミット

車に戻ってシートに座ると、樹はエンジンをかけトラックを出した。


ちらっとサイドミラーを確認しながら大きくハンドルを切る。


そのしぐさをこれでもう何回見たのかな?




高速道の車の流れに乗ると、樹の目はフロントガラスの先に真っ直ぐ注がれる。


しゃべっていても笑っていても、目だけはずっと前を見ているんだよ。


その横顔を見るのが好きだったりして…




「お、これ俺の持ち歌」


CDから流れ出したバラードに合わせ、突然樹が歌い出した。


「わたしもこの歌好き!」


一緒に口ずさむ。




以降ノリのいいのもしっとりしたのも、もれなく二人で歌い続ける。


車内はにわかカラオケボックスと化して、いやぁ歌った歌った…!



< 143 / 163 >

この作品をシェア

pagetop