とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~



事務所を立ち上げて一番最初に来た仕事は、昔の同僚…つまり刑事時代の同僚からの依頼だった。



彼は交通課の警部で、アンダーソン同様“仕事人間”だった。




妻には愛想を尽かされ、その為娘は家に帰らず柄の悪い友達と遊び呆けていた。




そんな娘がある日フラリと家に帰って来た。




正確には家の前で仕事から帰って来る同僚を待っていたらしい。



そんな事は初めてで彼はかなり驚いた。




そして彼女は父親である彼に『パパ、今までごめんなさい…愛してるわ』とだけ言って夜の街に消えた。




同僚はその時の娘の顔が脳裏に焼き付いて離れなかった。




迷いに迷って彼は少年課の知り合いに相談した。




『娘さん、19歳ですよね?その位の歳の子にはよくある事です。な~に、お金が無くなればまた帰って来ますよ。』




少年課の同僚にそう言われてまともに取り合ってもらえず、不安ばかり募さらせた。




そんなある日、定年退職したアンダーソンの噂を聞いて訪ねてきたのだ。



『警察に居ながら警察が信用出来ないんだ…。』




それが久しぶりに会った同僚の言葉だった。




< 284 / 461 >

この作品をシェア

pagetop