とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~

浮気の定義





一日歩き回ってパンパンな足をバスタブの中で解す。




ふぅ…と息を吐いてお湯に浸かりながら忍は目を閉じた。




危うく眠ってしまいそうになった時、バスルームの戸を叩く音が聞こえて慌てて目を開けた。




「…はい!?」




「忍様。携帯が鳴ってますがどうしますか?」




潤の声に忍は“またか”とちょっと溜め息を着いた。




「右京でしょ?潤くん出てよ。かけ直すって伝えて~」




別に右京と話すのが嫌な訳ではない。




ただ最近右京が電話を掛けてくるタイミングが悪いのだ。




この前は食事中だった。




昨日はトイレに入ってた時。




そして今日はこれだ。




─少しのんびりさせて…。




ただでさえあのニックと四六時中一緒にいてストレスが溜まるのに…。




忍は敢えて慌てるでもなくのんびりバスタイムを満喫し、念入りにお肌の手入れをしてから部屋に戻った。




そして冷たく冷えたビールを煽る。




正に至福の一時である。




「…忍様…先に着替えて下さい。」




「めんどくさい…。潤くん、最近右京に似てきたわね…。」




バスローブ姿の忍がそう言うと潤はやれやれと肩を落とした。





< 368 / 461 >

この作品をシェア

pagetop