とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~





その翌週、数年ぶりにクリスがバチカンへとやって来た。




名目はハンター用の新しい武器の考案と、活動報告。




実際は偽の聖杯を持って来たのだが…。




その時オラルはクリスの仲間とやらの真の目的を聞いた。




それは人間が実行するにはあまりにも無謀といえる行為だった。




だが彼等なら何とかなるかもしれない。




右京という“天使の加護”があるのだから…。





それを聞いたクリスは珍しくゲラゲラと笑いながらこう言った。




『あれが天使だったら世も末だ。まぁ、悪魔ではないけどな。』




『それでも強力な助っ人には変わりないだろ?』




『勘違いするな。アイツらが助っ人なんじゃない。俺がアイツらの助っ人なんだ。』




─やれやれ…この男はプライドが高くて扱いづらいな。




だが最近また負の勢力が増して来ている。




クリスにはまだ頑張って貰わないとならない。




『提案があるんだが…君達に討伐依頼をお願いする事は可能なのだろうか…』




『さあね。そういうのは“アラン”に許可を取った方がいい。』




本当は右京をこちらの組織に引き抜きたいが、彼の仲間が譲らないだろう。




< 446 / 461 >

この作品をシェア

pagetop