とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
「…あれ、いいの?あの周りの女達、彼を狙ってんじゃない?」
「大丈夫です。多分…」
「随分自信たっぷりじゃない。」
谷地に軽く睨まれたが、忍は溜め息をついて「そういう奴なんですよ」とビールを継ぎ足した。
案の定、右京は女性社員の猛攻に怪訝そうな顔をしながら逃げて来た。
「あら…ホント。」
「黒崎さんの彼氏…スペック高いな~!ありゃ勝目ないわ…」
「…それ、喜んでいいんですかね?」
まるで“釣り合ってない”と言われているようで忍はちょっと落ち込む。
谷地は察したように「そういう意味じゃないわよ」と笑い飛ばしてくれた。
「あれ?…忍、なんで不機嫌なの?」
「右京君が女に囲まれちゃったからじゃない?」
「別にそんな事気にしてません~!ちょっと右京、来なさい!」
立ち上がって右京の腕を掴むが松山の隣からなかなか動かない。
「新庄さんはゆっくりしてけって…」
「いいから!!」
あまりにも忍が怒るので右京は渋々立ち上がると、忍に廊下まで引っ張り出された。
「来るなら来るって言ってくれれば良かったじゃない!」
「言ったらつまんねぇじゃん。」
「それに」と忍の腰を引き寄せて一気に距離を縮める。
「今日は、クリスマスイブだぜ?」
「…だから?」
「俺が一緒に居たいかったの。」
─…その表情、反則だよ…
微笑みながらそう言われて胸がキュンとなる。