そばにいて






「…やっぱり私は華を嫌いにはなれないよ。今も昔も。…全てを吐き出してくれてありがとう」








私の瞳からは涙が止まることなく流れ続ける。








「そうですね…。私も実の妹を完全に嫌いになることなど出来ませんでした。華、お前の罪を話してくれてありがとう。気付いてやれなくてすまなかった」










兄様もそう言って抱きしめてくれた。謝れることなんて私はしていない。兄様の私への態度もあたりまえのことだ。






私は、もう弱りきっている手を精一杯に動かし、2人の服をつかんで謝った。










「ごめ…な、さい!ごめんなさい!!」











< 83 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop