無愛想なCinderella





しかしそこはさすが男。
あっという間に追いつかれてしまった。



「俺、足速いから」


そう言ってにっこり笑う姿に、私は顔を背けた。



………どうしたって、あの雨の日のことを思い出してしまう。
思い出せば思い出すほど恥ずかしくてたまらなくなってしまうのだ。



「ねぇ菜月ちゃん、週末どこか行かない?」


「は!?」


「隅田先輩言ってたよ?菜月ちゃんは休みでもいっつも研究室にいるって。気晴らしに、ね?」





< 79 / 132 >

この作品をシェア

pagetop