こころ
二人の時間




わ、忘れてた………。

美姫さんの訪問ですっかり忘れていた『進君との約束』。
―……一緒にでかけようって約束だったでしょ?―


そう言われて、時計をみると、一時をまわっていた。
もう昼過ぎかぁ~。


「心さん?」
「ごめん!あと三十分、いや、二十分待って!」

「いや……いいんだけど、お昼どうする?なんか食べてから出る?」

「あ~……」
「なんか、軽く作ろうか?」

そう言われて、嬉しくなった。実は私、進君の料理がすごく好きなのだ。
「うん!ありがとう~。」

―こんなとこ、美姫さんにみられたら怒られちゃうかな?……でも―

せめて今日だけでも、楽しみたかった。そんな私は、ワガママだよね。

自分の気持ちさえ、わかっていなかったのに。
< 155 / 213 >

この作品をシェア

pagetop