チェリーガール

bad cold

「ゴホッ、ゴホッ」

咳が止まらない。


毛布と掛け布団をかぶってベッドに横たわっていた。


そして、体温計を脇に挟んでいた。


頭の下に氷枕を敷いて、額の上にはタオルで巻いた保冷剤を載せていた。



「しっかし、汚い部屋だね。心愛の部屋がこんなに汚かったなんて」


風邪を引いた私のもとへ見舞いに来てくれた、たまきが毒を吐く。


私の部屋は汚い。


ゴミ溜めのように散らかっている。


足の踏み場もないほど。


これじゃあ、男の1人暮らししてる部屋と変わらない。


女の子の部屋じゃないよ……。


たまきは、ベッドのそばの少しだけ空いたスペースに丸い形のビーズクッションを置いて腰をそこに沈めていた。



「ピピピッ、ピピピッ」


体温計の鳴る音。


私は体温計の測定値表示画面に目をやった。


38.5℃



た、高い……。


高過ぎる……。


病院へ行こう。


食欲もないし。


でも、今はたまきがいるから後で行こう。


せっかく見舞いに来てくれたんだから、もてなさないと。



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