チェリーガール

ストーキング

イチョウの葉は黄に染まり、実がなっていた。


この広いイチョウ並木はカップルのデートスポットで有名。


特に、休日の午後とあってか男女が仲良さげに腕を組んでる姿が今日はちらほら見かけられる。


イチョウの木に隠れて私は碧様の歩く後姿を見つめてる。





私は後をつけてるのを知られないように、こっそり距離をとって木に隠れつつ後ろを歩いていた。

まるで並木道を二人で歩いてるよう。


隣に並んで歩けたらなー。



夕日が私の顔を照らす。


まぶしっ!


風でイチョウの葉が揺れた。


やや冷ややかな深みゆく秋の感慨を催させる風は、碧様を連想させる。



この冷たい秋風が碧様と思ったら、いくらでも風に吹かれたい。
(ちょっと寒いけど……)


私、病気だな~♪


碧様病だよ~♪


好き過ぎて冷たい風まで愛しく感じる。


そして、好き過ぎてこんなことをしている……。



名前も学校も知ってる。


でも、住所は知らない。


家がどこにあるのか、むちゃくちゃ知りたい。


そんなわけで、予備校の帰りに家までついていくことにしました。


これは、ストーカー行為です。



というわけで、ストーカー心愛始動!!


今日は家まで碧様をお見送りするぞ~!!





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