君の笑顔をもう一度

 「櫂・・・・?」

 グシャ グシャ

 「ちょっと・・・・」

 櫂があたしの頭を撫でた。

 「ありがとな、未琴」

 そう笑って亜理紗の元に行った。

 なんか櫂がちょっと大人に見えた。

 櫂が亜理紗に抱きつくと亜理紗は子供の
 様に泣きじゃくった。

 
 亜理紗のしたことは許せないけど、2人
 の気持ちは通じ合ったんだよね?









 数十分後・・・・・





 「未琴ちゃん・・・」

 亜理紗がすまなそうな顔をして私の前に
 来た。

 「亜理紗・・・叩いてごめんね?」

 亜理紗の頬を押さえる。

 勢いでやっちゃったけど、顔に傷ついた
 ら誰だって嫌だもんね。

 「いいえ、ありがとう。未琴ちゃんのお
  影で自分に素直になれた」

 そう言って微笑んだ。

 あーあ

 なーにやってんだろあたし。

 こんな笑顔見ちゃったらもう櫂の事きっ
 ぱり諦めなきゃいけないな。

 「次、櫂に心配な顔させたらあたしが許
  さないからね?」

 
 それから数日して亜理紗は私達の学校に
 戻ってきた。

 
 


< 136 / 202 >

この作品をシェア

pagetop