君の笑顔をもう一度


 でもあたしが倒れた事凛に教えたのって亜
 理紗だったよね。

 じゃあ亜理紗ならあたしを運んでくれた人
 の顔見てるかも。

 ッてゆうか見てたんだよね。

 「ねぇ亜理紗、あたしが倒れた時は運んで
  くれた人って誰か分かる?」

 「うん。え~っと確か・・・あっそうだ!!
  棗隼人君だ!!」




 え!?

 まじですか??

 でもさっき会った時は何にも言って無かっ
 たよね?

 それに話すら触れてなかったし。

 「でね、でねっ隼人君いっぱいいる人を掻
  き分けて未琴ちゃんをお姫様抱っこして
  運んだんだよ」

 そう言ってニヒヒと笑う亜理紗。

 お、お姫様抱っこですか!?

 きゃ~夢にまで見たお姫様抱っこ・・・・
 しかも相手はみんなの王子様。

 やばい、あたし完全にキャラ変わってる。

 「未琴ちゃんお礼言わなきゃね、隼人君
  ずっと・・・」

 そう言って言うのを止めた。
 
 ???

 ずっと?

 お礼は言おうと思ったけど・・・・。

 なんか亜理紗の様子が変なのは気のせい
 だろうか?

 「隼人君、ず~っと手握って看病しててく
  れたんだよ」

 はひっ!!

 なんでそこまで・・・・。

 「うん、ちゃんと言おうかな」



 ドドドドドッ

 ドドドドドドドドドッ


 はっ?

 なんか音が。

 いや、私の心臓の音じゃないですよ?

 こんなに速かったら異常だし。

 ・・・・・・。

 なんか廊下の奥から砂埃が見えるのは気
 のせいでしょうか??

 目を擦る。

 人だよね?

 え、え、なんかこっち来る!!


 う、うわぁ~ぶつかるぶつかるっ!!


 ドーン

 「ぎゃっ」
 
 思いっきり突進していきなり抱きついてきた。


 「な、何!?」

 「未琴、具合大丈夫か!?」

 ・・・・へっ?

 「時雨君?どうしたの??」

 「ごめんな、さっき気づけなくて。倒れたん
  だって!?」
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