先輩と私(番外編)
熱くなりすぎて、周りが見えなくなっている様子の彼女。

「…………」
「…………」
「…………ぶっ。あはははははは」

無理だった。耐えられなかった。だって、いっつもクールぶってる彼女がですよ。こんな怒り方するなんて......。

「笑うな」
「イタッ」

殴られた。少しばつの悪そうな顔になっている。さすがに自分でも熱く語り過ぎたと思っているらしい。しかし、俺的にはやっぱりツボで、笑いは止まらない。代わりに彼女の目はどんどん冷ややかになっていく。



ひとしきり笑うとようやく笑いは収まってくれたのだが、彼女の怒りは続いている。

「でもさ、現実は、男も女も自己中心的なモノだと思うけどな〜。けど、それで、ケータイ小説の2人は上手くいくんだよね?よっぽど良い男なんじゃないの?俺みたいな(笑)」
「……………」

返事もなしか。普段なら鼻で笑うくらいの反応は有るのに。これは相当怒ってるなあ。どーしよ(泣)

「ま、そーかもしれませんね」
「………は?」

え、え、え?今、なんて?え、幻聴?

「だから、ケータイ小説の男って、悪ぶってるけど本質は、伸先輩みたいなんじゃないかと思って同意したんです」
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