゙幼なじみ゙という名の壁~素直になれなくて~

~想い出と家族~







「―――…昔のまんまだね。」



「そうだな…。
ここでたくさん遊んだよな―」


滑り台と鉄棒と
ブランコと砂場しかない
のどかで小さな公園。



小学校低学年まで
毎日のように遊んでいた
思い出深い場所………。


月穂が、すっかり古びてしまったベンチに座って…言った。


「たくさんケンカもして…
…あたし何も言い返せなくて、このベンチで、よく泣いてたよね。」


月穂がポツリと言った。


俺もさりげなく
月穂の横に座った。


「ハハッ!!!…そういえば、
そんなこともあったよな―」


俺と月穂と碧都と綴未…
あと近所の友達で
いろんな遊びをしたっけ。



「もぅッ!!!笑わないでよ…。
…でも、覚えてる???
――――星磨がね?…イタズラされてた時とか、いつもあたしを守ってくれたんだよ。」


月穂が少し俯いて言った。


素直に嬉しい。
覚えててくれたんだ………。



てか、決まってるじゃん。
―――あん時から好きだったから…月穂を守ったんだよ。






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