となりの女の子
「葵です。藤原 葵。」

「あら〜、女の子なのね〜!」

「泣き声が聞こえると思いますが…」

「気にしないでイーのよ。赤ちゃんは泣くのが仕事なんだからぁ。何かあったら言ってね!女の子は育てたこと無いけどさ。」

「ありがとうございます!」


お母さんが、となりの新米ママに優しく声をかけてあげているのを聞いて、僕らは鼻が高かった。


「ほーら!颯太、寛太、来て見てごらん!こんなに小さいんだよぉ。」

「うわ〜…」


母親の腕の中で安心して眠る赤ちゃんは、赤らめた顔に髪の毛も薄く…ピンク色の服を着てなければ、女の子だとは分からなかっただろう。


「あんた達より大きいかな?」

「3600グラムで産まれてきたんです。この大きさで二人だなんて…私には考えられないですよぉ。」

「おかげで私も懲りちゃってね…」

「二人いればイイじゃないですかぁ。私、一人っ子でも良いかなぁって…なんかもう、出産に挫けちゃいました。」

「うちの子達で良ければ、いつでも兄弟代わりに貸し出すわよ。」

「ホントですかぁ?嬉しい!」

「あははは」


こうして、互いの子供を通じ、
近所付き合いを深めていくのだった。

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