となりの女の子
日沼家と藤原家
藤原家の新米ママは、
まだ、言葉の通じない赤ちゃんを相手に、てんてこ舞いの日々を送っていた。

そして、なにか変化がある度に、日沼家へ相談に訪れるのだった。


熱が出た、湿疹ができた、いつまでもたっても泣き止まない…
などなど、
まるで日沼怜子を第二の母のように慕う葵の母。


すると当然のように、
葵は怜子になつくようになり、
そんな葵を怜子も可愛くて仕方ないといった様子。


葵の母親、ちひろの体調が悪い時は、葵を日沼家であずかることもある。


初めて葵をあずかった時、
いつものようにゲームやテレビをしていた双子達だったが、なんとなく落ち着かぬ様子で…
結局、
集中できず、頼んでも無いのに葵をあやしはじめていたのだ。


そんな様子を見て、怜子は思う。


「“競い合う”か“共有する”ことしか知らなかった二人に、“思いやる気持ち”を根付かせる良いチャンスだわコレ。」


何事も都合良く、有効に利用するのが怜子だった。

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