となりの女の子
颯太が出て行った数分後、

バタンッ!…ドシ、ドシ、ドシ…

物音を立てて寛太が帰ってきた。


「シーっ!」

「!」

「お帰り…早かったね」

「…」


顔も見せず、汚れた服で親に背を向け立ち尽くす寛太。

それを見て驚いたちひろは、目が合った怜子からアイコンタクトをされ、その様子を伺うことにした。



「またそんなに汚して。…シャワー浴びてきなさい。あおちゃん来てるんだから…」

「…」

すると、黙ったままシャワーを浴びに行く、意外と素直な寛太に拍子抜けするちひろだった。


「私達お邪魔じゃない?いつもいつも」

「大丈夫!どうせ友達と喧嘩でもしたんでしょ。いつものことだから気にしないで!」

「でも…話を聞いてもらいたかったんじゃない?」

「颯太と違って、寛太はそーゆー感じじゃないんだよね。自分が納得しないと何を言ってもダメなの。だから、自分で解決するしかないのよ!」

「…まだ小学生なのに?」

「私に何か言ってくるときはよっぽどだってこと!逆に分かりやすくて良いわ!」

「なるほど…」

「勉強になる?あおいちゃんには、まだまだ先の事だろうけどね。」

「サスガですね…あたしならうろたえちゃうんだろうなぁ…」

「誰だって初めはそーよ。」

「はい。」

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