鉄の救世主(くろがねのメシア)
七三分け、やや太り気味の官房長官が記者団の前に立ち、会見を始める。

「えー…気象庁の発表によりますと、本日正午頃、東京23区都市部中心街に飛来物が落着しました。詳しい事は現在まだわかっていませんが、宇宙空間からの飛来物…隕石という見解を気象庁は示しております。他国からのミサイルその他による攻撃ではありません。繰り返しますが、落着したのは隕石であり、他国からのミサイルその他による攻撃ではありません」

隕石。

改めて聞かされても、狐につままれたような話であった。

自然災害ならばまだ想像できる。

他国からのミサイルによる攻撃の方が、まだ現実味があるというものだ。

しかし、隕石…。

地球外から石ころが降ってきて、街ひとつが消し飛ばされた。

俄かには信じ難い話だった。

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