鉄の救世主(くろがねのメシア)
小川が休息をとっている間、避難所である体育館の警備は豊田と麗華に任されている。

「それじゃあ私は北側の方を見てくるわ。麗華はこっちをよろしくね」

麗華に告げて、豊田は一人歩いていく。

…足元は少々おぼつかない。

疲労が溜まってきているようだ。

小川が休憩から戻ってきたら、まず麗華を先に休憩させて、それから自分も少し休憩させてもらおう。

そんな事を考えながら歩く。

…少し高台に位置するこの小学校の体育館からは、眼下に街の様子が見える。

隕石落着による影響からか、電気がストップしている。

夜になった今でも復旧はしておらず、街は車のライトしか灯りがない。

(早く復旧させてあげないと…)

豊田は一人心の中で呟いた。

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