鉄の救世主(くろがねのメシア)
テレビ画面に映る、騒然となる報道スタジオ。

ニュースを読み上げるキャスターさえ動揺を隠せず、言葉に詰まり、何度も同じ情報を繰り返すしかない。

その情報が錯綜し、被害の度合いも、死傷者の数も、憶測の域を出ないものばかり。

やっと現場の映像が報道ヘリから中継される頃。

…テレビを見た人々は言葉を失う。

そこには何もなかった。

残骸も。

焼け焦げた跡も。

火災の跡も。

たった一つの隕石によって、街が丸ごと消し飛ばされていたのだ。

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