KURUMI
第一章


あたし、田中くるみ。17歳。


ミンミンと蝉が鳴く中、どうしてこんなに暑くて日が照りつける学校の裏庭に立っているかというと…

捨てられた教科書を取りにきた為である。



『シネ』
『学校ヤメロ』
『キモイ』
『ウザイ』


落書きされた教科書。
もちろんあたしが書いたんじゃない。

イジメ。

その通り。
アタシはイジメを受けている。


毎日毎日、同じ事を言って、して、
飽きないのだろうか?

ビリビリに破かれたノート。
何冊目だっけ?

いつでも新品の上靴は、何足目だっけ?



そんなどうでもいい事を考えながら、落ちてる教科書を拾った。


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