-部恋。Round.03-


「いい天気…。」

スーっと大きく息を吸ってグラウンドに足を踏み入れる。
いつもの放課後、いつもと変わらないグラウンド。



季節は春。
新人戦に向けてカウントダウンが始まる。


部員たちが試合に向けて焦る気持ちを私が落ち着かせられるように、毎日変わらず笑顔と元気で部員たちを迎える。



それが私にできる精一杯の応援。
私まで試合のことで頭がいっぱいになっちゃうと、サポートにならないから。


そんな話をアキラ君に話してみた。



「俺にはそれはできないなー…。」

「なんで?」


アキラ君は小さく笑ってみせた。



「だって俺、先輩みたいに笑顔かわいくないもん。」

「あ、今さり気なく褒めてくれた!?(笑)」



「でも俺は先輩に勝てるもの、あるよ。」

「えっ?なに?」

「俺は、サッカーができる。しかも何気にうまいよ(笑)?」



アキラ君は得意気に笑う。
私は悔しくてムッとすると、アキラ君は笑った。



「みんなと違って俺は試合のプレッシャーもなく、サッカーができる。それって何か部員の役に立つかな?」



。。o 〇


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