愛して野良猫


「…それは違いますよ…………子猫達を支えているのは、浬音との思い出です」


「‥閨杜様の支えも、浬音様だったのですか?」


「…えぇ」



閨杜はポケットから


小さな黒い袋を


取り出した



「…浬音との思い出は‥とても大きいものです。あの子は分かりやすいのに‥複雑で……忘れていたもの、与えられたことのないもの‥」



閨杜は袋を


手のひらの上で


ひっくり返した



「様々なものを教えてくれました。前に進めない自分が馬鹿らしくて‥コレさえも……付けれなくなってしまった」



閨杜の手のひらの上には


真っ黒の猫のピアスと

真っ黒の石のピアスが


乗っていた
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