ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
「もう投げられないの?」

「もう一度、手術しなけりゃいけないんだ…。」

少女の問いに、杉山は答えながら再び、診断を受けた日の事を考えていた。



「腫瘍だったよ。ここより手に関しての名医がいる、庄内病院の紹介状を書くから、そこで手術するといい。」

ガングリオンの摘出手術の際に見つかった組織について、後日病院を訪ねたところ、医師はそう話したのだった。
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