ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
「王子、なつの話をきいてあげて。」。

駒野は、杉山の腕を掴んでから、奈月を睨みに近い目つきで見た。

「どうした?なにかあるのか奈月?」。

「う〜………、ニャンとね、私のねん、ドナーがねん見つかったニャン。」。

奈月は、赤面になりながら招き猫のようなポーズをとった。

続いて硬直する杉山を、

「そんなに見ないで欲しいだパオーン。」。

と、手を象の鼻の動きにして杉山を突いた。
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