━ Are You Happy ? ━

□不協和音


『…ヤる…?』





言葉にすんのは

さすがにちょっと恥ずかしかったけど


翔もそのつもりなんだと思ったから言えた


でも





翔は抱きしめた腕を解いて

私のおでこを叩いた





『お前の頭ん中
ソンナコト ばっかか』





“ぺちん”とバカっぽい音をたてた私のおでこは


ちょっとだけ

翔の指先の感覚が残ってた








それは要するに

キョヒられたわけで


軽い衝撃の残るおでこに触れると


誘った時より

恥ずかしくなった





翔が遊んでる って噂は


どっから出た噂なんだろ





『翔は意外と
ソンナコト ばっかじゃないんだね』





『あたりめーだろ…バカ
んなコトばっか考えてる余裕ねーよ…』





鼻で笑って

ベッドにゴロンと寝そべったから


私も


翔の横に寝そべって


狭いシングルベッドの上


意外と大きな

翔の背中を見てた





私に背中を向けたまま


ザッピングして

ニュース番組で落ち着いたテレビに集中してる


頭の上で鳴る音楽と

翔の向こうから聞こえるキャスターの声は


不協和音すぎて


それから逃避するように私は

眠りに落ちた



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