━ Are You Happy ? ━

■春が好き


春が好き


暖かいし


いい匂い


眩しいけど

眩むほどじゃない太陽は

閉じた目に心地良い








体育館の脇で

寝そべった私のおでこに

軽い衝撃





『俺パシらしといて
寝てるとかありえねぇし…』





購買部のビニール袋をぶら下げた翔に

やきそばパン で、ぺしぺし甚振られる

私のおでこ





『パシらせたんじゃないでしょ
翔がジャンケン負けるからでしょ』


身体を起こして

私と翔の間に置いた

ビニール袋の中を漁る




.


『なんでっ?!
“いちご牛乳” って言ったじゃん!!

なんで
“牛乳” なワケ?

“いちご” ドコ行ったの?!』






『あぁ、売り切れだった』




『だからってなんで
“牛乳”なの?!

“いちご牛乳” が売り切れてたら
ふつー、“コーヒー牛乳” でしょ!?』





『…てか“牛乳” くらいで
んな、怒るかね…?』



『私、牛乳飲むとおなか壊すのっ!!』



『しらねーよ…てかそーゆーのは先に言え』



『買って来て』


『はぁぁ!?ヤだよ自分で行け』


『買って来て!!』



『お前なぁ……』


『じゃなきゃ“先生とのコト”
放送室から言い触らしてやる』


『おまっ……』


『行って来て』








怖い顔して

やきそばパン を体育館の壁に投げ付けて


翔は、どっか行った


しばらくして戻った翔は


私の横に


“コーヒー牛乳” だけ置いてまたすぐ


いなくなった





“いちご牛乳” で出来てしまった


私と翔の





子供みたいな








気付けなかった


翔の変化





変わりすぎた私



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