━ Are You Happy ? ━

■誤解した愛情


ドクドク脈打つ頸動脈に力が込められると

身体中の筋肉が強張る


リュウは


今まで見たことのないくらいの

恍惚の表情を浮かべ天を仰ぐと


首から手を離し

繋がりを抜いた











本気じゃない とは言え

小柄な リュウ とは言え


苦しくて


怖くて


泣いた





息が乱れ

声が出なく


胃液を上げるほどの咳が止まらない


身体を丸め


咽る私の拘束を解いたリュウは

背後から優しく包んだ





『お前…サイコー……』





緩んだ筋肉から垂れた水は

私とリュウの脚を濡らす


びしょびしょになったベッドの上で一晩中


子供をあやすように身体を撫でてくれた





たったそんなコトで

恐怖心は払拭される





リュウのリストバンドは


私の水分を帯びて冷たくなってる


さりげなく

ソレを引っ張ると

皮膚にひっかかりながら


リュウの腕から落ちる

















無数の “傷痕” さえ

愛しいと思い


そこにキスをした











“愛” を誤解してた


あの夏



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