━ Are You Happy ? ━

■不器用にしか


それで翔の気が紛れるなら


私を都合良く使えばいい


そう思ってた





傷口ひとつ ひとつ

優しく当てる唇は

くすぐったい


きっかけ を与えるつもりで

少しだけ

甘い吐息を吐いた


だけど翔には


何の意味も成さなかった





傷ついた私を


傷ついた翔が癒してくれる


戸惑いながら


翔を目で追う





『危ねぇな…』


手首に付けられた傷口を見て

そう呟く


『大丈夫…彼のココ

いっぱい傷あったけど……』


生きてるもん





キっと睨まれたのは


リュウを思い出した私のせいだと思う





『俺とお前はやっぱり似てるな…』


やっぱり

って言葉が

意味するものは…





『似過ぎてて気持ちわりぃ』





私たちが出会った


あのまだ暑い


秋の日から


変わらない


ってことだよね





『…先生だと思って

抱けばいいのに…』





『………
…お前は…

お前だろ…』





少しだけ


大人になったつもりだったけど


『はぁ…
もう……ヤだ……』





私たちは


まだまだ臆病な


子供だ





不器用にしか人を愛せない





子供だ



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