呪女

『呪女』の正体

わたしは〈呪女〉と言うモノ。

人間の願いを一つ必ず叶える代わりに、わたしの『不幸』を引き受けてもらい、『幸福』を得るモノ。

だから本当の姿も違うし、歳も違う。

性別はまあ女性のままだけど。

この能力を持つ意味は、何故だか理由も原因も分からない。

しかし生まれ付きあった。

しかもわたしだけじゃない。

わたしの血筋、主に女性がこういう力を持つモノが多かった。

つまり先祖代々、受け継がれたモノなのだ。

ゆえに誰が言い出したか知らないけれど、〈呪女〉と呼ばれている。

呪いという言葉を使われるのは、本当のことを言うとちょっと不本意だったりする。

確かに『不幸』と『幸福』を操るけれど、それはあくまでも依頼人がいるから成り立つ契約だ。

そう…依頼人である人間が存在するからこそ、わたし達みたいなモノも存在するのだ。

例え害を与えるモノであっても、換わりに願いを叶えるのならば、お互い様だというもの。
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