忠犬彼氏。
*私の気持ちは何だろう

┣彼氏降臨、それが迷惑



お昼休みを告げるチャイムが鳴り響けば柴は私に飛びついてきた。

「りーこせーんぱーいっ」

「く、来るな!!」

「そんな冷たいこと言わないで下さいよー」

い、いつもよりスキンシップが激しい。
あ、変な意味じゃないよ?


ぎゅうっと柴に抱きつかれた。
さわさわと当たる柴の髪の毛が柔らかかった。

「んー先輩いい匂い……」

「って嗅ぐな!!」

確かに犬は嗅ぐけど、犬扱いだけど一応お前人間じゃんか!!


「職権乱用中ですよー」

いつから私の忠犬は職業と化したんだ?

しかも自分で乱用とか言っちゃダメだろ。
本当にバカだな。


「それに彼氏なんですから」

そんなキラッキラな笑顔で言われても……。

「一応、でしょ」

「そうですねー」

尻尾をパタパタ振るな。
多分本人以外全員に見えていることだろう……。

「先輩、先輩!!」

何がそんなに嬉しいんだかやたら私を呼びながらまとわりついてくる。


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