忠犬彼氏。


「だって先輩とデート、したかったんですもん」

キューンという効果音が、悲しげに垂れている耳と尻尾が付きそうな上目遣いでそう言ってきた。

お前は女か。
可愛いすぎるぞこの野郎。

女差し置いてなんだこの可愛さは。
神様は不平等すぎる!!

「仕方ない、してやるよ」

華音たちもご褒美が何だって言ってたしね。

「ありがとうございます!」

嬉しそうにそう言って柴は弁当を食べ始めた。


「あ゙ーまさか青田が承諾するとは!」
「意外性をついた私の一人勝ちだね」
「ぬあー!そんなのないよー!」

私がデートに行くか行かないかを賭けていた薄情な友人二人+おまけめが。


「華音たんは賭け強いからなぁ」

「はんっ!過去にクラス中を泣かせたことがあるほどよん」

どんだけ賭けしてんだよ。
賭けとかやっちゃいけないんだよ!?

とかまぁ言っても私で賭けなけりゃ何だっていいんだけどね、私で 賭けなけりゃ!

< 88 / 204 >

この作品をシェア

pagetop