百もの、語り。


ある日、先輩の姿がどこにも見えなかった


いつもの通り、部活が終わった後、
居なくなった子の教室で、待ち合わせていたのに。


俺は1年で、先輩は2年。

1年は片付けがあるから、
先輩は先に、教室に居るはずなのに。

時々、飲み物を買いに行ってた事はあったけど、
その日は、どれだけ待っても来なかった。



下校を促す放送が流れて、俺は諦めて帰ろうとした。

だけどその前に、ノートを見ようと思ったんだ。


先輩が居ないのも、もしかしたら関係するんじゃないか。

そう、思ったから。



開いたノートには、やっぱり1文だけ。


『これを見た人は、
 この学校から卒業できない』


そう書いてあったよ。



< 173 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop