百もの、語り。




音も止み、少しの静寂の後、
外から舌打ちの音。

そして遠ざかる足音がして、
玄関のドアの音が響きました。


安心した俺たちは、
顔を見合わせて、鍵を開けました。

そして玄関まで、様子を見に行きました。


廊下には、土の足跡。


その靴跡は、
どう見ても俺の靴と同じ。

ちょっと特徴のある底だから、
すぐに分かったんですよ……。


それはドアの外まで続いていたんですが、
俺の靴は、ちゃんと玄関にあったし。

それに、靴底に土はついていませんでした


< 219 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop