百もの、語り。

選択027



気がついたら、何も無い場所に居た。

さっきまでいた、
たくさんの人も、蝋燭も無い。

本当に何も無い場所に座っている。


そして目の前には、
死んだはずのアイツが居た。

こっちも、
自分が死んだのかと驚いたけど、
向こうも驚いているようだった。


「……死んだの?」

彼に問いかけてみると、
困ったように笑って言った。

「わかんない」



状況は解らないけど、
とりあえずまた会えたから。


とりとめのない話を
いつまでも、2人でし続けていた。


よく解んないけど、
疲れも眠くもならなくて、
ずっとこうしていられたら。

そう思った。


< 253 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop