チャリパイ14~最後のサムライ!



ドカッ!!



親衛隊の先頭の男が、事務所のドアを勢いよく蹴り開けた!


「何で鍵掛けておかないのよっ!シチロー!」


時間稼ぎが出来ずに、最初の“仕掛け”をずいぶん急かされた子豚が、怒って口を尖らせる。


「だって、鍵掛けたらドア壊される。この間直したばかりだからね……」


そんな理由だったのか……



子豚担当の最初の仕掛けは、煙幕。


煙幕って言っても、自衛隊や機動隊が使うような特別な物では無い。


ゴキブリを退治するのに使う、アレである。


あの缶を部屋に幾つも設置し、水を入れて回るのが子豚の担当であった。


「うわっ!何だこの煙は…毒ガスかもしれないぞ!気をつけろっ!」


慌てて袖で鼻と口を塞ぐ親衛隊の男達。


確かに殺虫剤なので、あまり吸うと体には悪いかもしれない。


部屋中に充満した煙のせいで、彼等には五十センチ先の様子も見えなかった。


サングラスなんて掛けているから、尚更である。



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