チャリパイ14~最後のサムライ!
シチロー達の声を聞き、真っ先に玄関前に駆けつけたのは、勿論子豚。
「ただいまじゃ無いわよ!アンタ達、いつまで待たせるつもり………」
シチロー達に文句の一つでも言ってやろうと、勢いよくドアを開けた子豚だったが……
しかし、そんな子豚の前に立っていたのは、自分と瓜二つの容姿を持つイベリコの姿であった。
もし、アナタの目の前に突然自分とまったく同じ顔をした人間が立っていたらとしたら?
そんな事態が今まさに、子豚の目の前で起こったのである。
玄関のドアを開けたまま、動きが止まる子豚……そして、イベリコを見つめる目は段々と細くなり、ついには左右二本の線のようになっていった。
子豚がこんな目をする時は、彼女の思考回路がフル稼働している時である。
その様子は、想定外の操作によってフリーズしてしまったパソコンに似ている。
そして、次の瞬間。
子豚は目の前のイベリコに向かって、まるで鏡の前でするように、作り笑いをしてみたり、手を振ってみたりするのだが……あいにく鏡では無いので、イベリコがそれに追従する事は無かった。
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