甘い笑顔のキミ
「…あいつ、バカだろ。」

田中くんはやれやれ、と肩をすくめると、ポケットにメモを入れた。

「じゃ、俺は柏原がお呼びなんで先に戻っとくわ。どうぞお二人でごゆっくり~。」

田中くんはそう言うと、

まるでこの場にいたくないかのように
早足で出ていった。

「ちょっ…田中くん!?」

このダンボール箱はどうするの!?

ポカーンとドアを眺めていると、

突然後ろに引っ張られ、そのまま抱きしめられた。

「あ、相川くん…?」

どきどきと高まる胸の鼓動を感じていると、微かに腕に力が入った。

「…田中と、付き合ってないんだよね……。」

いつもより弱い声…。

「うん…。」

ゆっくりと、安心させるように言い、抱きしめる腕にそっと触れる。
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