ゆびきり
幼い約束
ゆ~びき~りげんまん
う~そついても
たっちゃんの
およめさんになぁ~る
ゆびきった♪



藍ちゃんは無邪気に
体いっぱいの声で歌った。



細く小さな小指に
精一杯の力を込め
僕の小指と結んで。



「藍、それじゃ、どっちにしても、たっちゃんは藍と結婚しなきゃならないじゃない。」


藍ちゃんのママはそう言って
うちのママと顔を見合わせて
ケラケラ笑う。


「だって!藍はたっちゃんと結婚するんだもん!しないっていう約束なんてしないもん!」

藍ちゃんは
ぷぅっと
ホッペを膨らませながら言う。




「ねぇ…藍ちゃん」

「何?たっちゃん」



「指…痛いよ~!」

「あっ。ごめんね!」


藍ちゃんは

ゆびきった♪

なんて歌っておきながら
まだ
しっかり結んだままだった小指を
慌てて外した。


ママ達は
そんな僕らの
やり取りを聞いて
お腹を抱えて笑い出した。





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