ゆびきり
トオは翌日の10時頃に、ひょっこり帰って来た。

僕と藍ちゃんのことを
本当に喜んでくれた。



毎日遊んであっという間に時間はすぎ…



学生生活に戻らないといけない。



藍ちゃんは別れ際
「藍…彼女になっていいのかな?」
と不安気に聞いてきた。

思えば口に出して言ってなかった…


僕は藍ちゃんを見つめ

「ウソついても僕のお嫁さんになるんだろ?」

そう言ってゆびきりした小指を見せた。


「うん…」

藍ちゃんは少し涙ぐみながら、強く答えた。


僕は、それを見届けて電車に乗ろうと足をかけた。

トオは僕の腕を掴んで引っ張った。
その瞬間、扉が閉まった。


「挟まれるぞ」

トオは少し呆れていたけど
「ありがとう」

と僕が言うと、とても優しく微笑んだ。


その時電車が音を立て動き出した。


慌てて藍ちゃんを探すと
僕をずっと見ていたのか
手を振っていた。


僕も手を振った。

別れのためじゃない、また会おうという想いを込めて。



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