ゆびきり
それを藍ちゃんに言ったら

「マジメに仕事してよ。」

と、冷ややかな目を僕に向けながら言った。


「真面目だよ。僕は藍ちゃんを守る為に警察官になったんだから。藍ちゃんの事を考えて、藍ちゃんに重ねることによって、僕頑張れるんだよ。」

「たっちゃん…」


「それだけじゃないよ。」

「え?」

「おばさんやお婆さんをみたって、僕は将来の藍ちゃんと重ねてる。」

「えー!おばあさんってまだまだならないよ~。」


藍ちゃんは、クスクス笑った。


僕は、藍ちゃんの目の前に小さな箱を差し出した。


「なぁに?これ…」

藍ちゃんの視線は
この小さな箱に全て注がれた。

「開けてみて。」

僕は頷きながら微笑んだ。


藍ちゃんの手が動く
手のひらにのせると
リボンを指でつまみ
キュッと引く
包装が解かれて
中から一片が8cmほどの白い箱が出て来た。
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