ゆびきり
想い出
「指輪のこと…本当にご迷惑かけてすいませんでした。」

部屋に通されて、僕はすぐに謝った。


「気にしないで下さい。でも会えてよかった。」

「え?」

「あのあと、やっぱり返そうと交番に行ったら、もういらっしゃらなかったから。」

美智さんは、そう言って少し深呼吸した。

緊張してるのかもしれない。


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